北海道の東側に広がる十勝エリアは、豊かな大地と澄んだ空気に育まれた“食の宝庫”。
酪農王国として知られるこの地域では、牛乳・チーズ・バターをはじめ、小麦や小豆、てん菜などのお菓子づくりに欠かせない食材までもがすべて地元で揃います。
この広大な大地が生み出す恵みは、和牛や豚丼、チーズ料理、スイーツに至るまで幅広く、訪れる人を驚かせるほどのクオリティ。まさに“Farm to Table”を体感できる、日本でも数少ない地域です。
今回は、そんな十勝の魅力を味わえるグルメスポットを和牛、チーズ、スイーツのカテゴリ別にご紹介。旅の中で出会う一品が、きっとあなたの北海道の思い出をさらに豊かにしてくれます。
「美味なるものは北にあり」―十勝の玄関口・帯広は、その言葉を地で行くグルメの宝庫。今回は帯広で育ったローカルライターが、観光で訪れた友人を“必ず”連れて行く10皿を厳選。発祥の味からソウルフード、復活を遂げた名店まで、地元民が誇りを懸けて薦める珠玉のラインナップを、物語と一緒に味わってください。 ...
Contents
十勝だからこそ味わえる、驚きのおいしさの和牛
十勝を訪れたら、まず味わってほしいのが十勝和牛。この地域で大切に育てられた黒毛和牛は、ほどよい霜降りが入りつつも驚くほど軽やかで、口に入れた瞬間すっと溶けていくような上品な味わいが特徴。肉の甘みと香りがふわっと広がり、「日本の和牛は重い」というイメージが一気に変わるはずです。観光客にも「もう一度食べたい！」とファンになる人が多い、十勝を代表するごちそうです。
ここでは、十勝和牛を存分に楽しめる人気店をご紹介します。
JUICYDISH焼肉南大門
帯広で長く愛される老舗焼肉店「焼肉 南大門」。「十勝の大地が育てた和牛を最高の状態で届けたい」という想いのもと、一頭一頭を丁寧に捌いた十勝和牛を提供しています。
ほどよい霜降りと軽やかな後味が魅力の十勝和牛は、特上カルビやハラミ、ヒレ、シャトーブリアンまで幅広い部位を楽しめるのが特徴。秘伝のタレが肉の甘みを引き立て、焼くだけで香りがふわっと広がります。
焼肉のほか、スンドゥブチゲやビビンバ、創業時から続く「あんかけ焼きそば」など韓国料理・洋食も幅広く人気。パフェやフォンダンショコラなど本格デザートも揃い、満足感たっぷりの食事を楽しめます。
帯広でとろける十勝和牛を味わうなら、外せない一軒です。
【Information】
帯広の老舗「JUICY DISH 焼肉南大門」は、全国焼肉料理コンテストで“史上初の2連覇”を達成した注目店。看板は地元の誇り「十勝和牛」。丁寧に捌き、部位ごとに最適な切り出しと味付けで供する一皿は、観光で訪れる方にも地元の常連さんにも支持されています。数量限定の受賞作や多彩なランチ、盛り合わせまで...
平和園
十勝で地元の人が通う焼肉店といえば、「焼肉 平和園」。
帯広市内を中心に複数店舗を構える老舗で、新鮮で美味しい焼肉を“驚くほど手頃な価格”で楽しめることから、観光客にも人気です。
平和園の魅力は、十勝の酪農・畜産の恵みをそのまま味わえること。高品質な和牛を一頭買いしているため、カルビやロースはもちろん、希少部位までベストな状態で提供されます。
それでいて、定食や焼肉メニューはどれも良心的な価格設定。「こんなにおいしい和牛をこの価格で？」と驚く人も多いほどです。
地元の人たちに長く愛され続ける味を、旅の合間に気軽に楽しめるお店です。
【Information】
農業王国の十勝・帯広地域は、食料自給率が約1350％（カロリーベース）という驚異的な数字を誇ります。食材のバラエティも豊かで地域独自のソウルフードが多数存在し、グルメ愛好家からの注目を集めているエリアでもあります。今回は、そんな十勝・帯広地域の「ソウルフード」ともいえる5つの代表的な食べ物とお店をご...
酪農王国・十勝が生んだチーズの魅力
酪農王国として知られる十勝は、日本でも有数のチーズ生産地。広大な牧草地で育った牛たちの生乳からつくるチーズは、世界からも高く評価されています。クリーミーなフレッシュチーズから、熟成されたコクのあるハードチーズまで、工房ごとに個性豊かな味わいが揃っているのも魅力。まさに“豊かな土地が生む贅沢な味”です。
ここでは、そんな十勝のチーズを堪能できるおすすめ店を3つご紹介します。
牧場直営カフェやレストランなど、十勝らしいチーズの魅力に出会えるスポットばかりです。
十勝テッポ工房
帯広駅から歩いて10分ほどの人気店「十勝トテッポ工房」は、ケーキが有名なスイーツショップでありながら、十勝産チーズのセレクトショップとしても人気を集めています。
店内には、十勝産を中心としたチーズが約50種類もずらりと並び、フレッシュタイプからハードタイプまで、味わいもスタイルも実に多彩。「チーズを買うために訪れる」というファンも多く、観光客にも地元の人にも愛されているお店です。
販売されるチーズは、十勝の工房から届く新鮮なものばかり。入荷ごとにラインナップが変わり、その時その時の“十勝のおいしさ”に出会えるのも魅力です。気に入ったチーズはテイクアウトしてホテルで楽しんだり、旅行のおみやげに持ち帰ったりするのもおすすめ。
スイーツとチーズ、どちらも楽しめる十勝らしい一軒です。
【Information】
小麦やミルク、砂糖、卵など、菓子作りに欠かせない食材に恵まれた十勝地方は「スイーツ王国」として知られるエリアです。 帯広市を中心に、個性の光るスイーツ店が点在し、訪れる人を魅了しています。 今回は、十勝・帯広エリアで注目を集める人気スイーツ店をMATOKA編集部がセレクト。 地元食材の魅力を生...
共働学舎新得農場
十勝の新得町にある「共働学舎新得農場」は、日本のチーズ文化を長年牽引してきた名工房。牛たちの健康や土地の風土に寄り添いながら、丁寧に育てた生乳で豊かな味わいのチーズをつくっています。
看板商品は、数々のコンテストで受賞する「ラクレット」。チーズを温め、じゃがいもやパンにとろりとかけて食べるのがおすすめです。さらに、十勝川温泉のモール温泉水で熟成させた「十勝ラクレットモールウォッシュ」は、ここでしか味わえない芳醇な味わいとして大人気です。
工房併設のカフェ「ミンタル」では、チーズを使用した料理やプリン、農場の酵母で焼いたパン、ホエイジャム入りソフトクリームなども楽しめます。チーズの購入はもちろん、農場の暮らしを感じられる温かな空間で、十勝ならではの食文化に触れられるスポットです。
【information】
Cafe Dinkels
中札内村のグランピングリゾート「フェーリエンドルフ」の敷地内にある「カフェ・ディンケルス」。ドイツをイメージした佇まいで、地元・十勝産の素材を贅沢に使った“ここでしか食べられないメニュー”が揃う人気店です。
看板メニューは、中札内の恵みを詰め込んだハンバーガー。中札内たまごや、敷地内の十勝冷燻工房で冷燻した田舎どりを使い、十勝ならではの旨みをぎゅっと閉じ込めています。中でも人気の「十勝クラシックチーズ」は、十勝産ラクレットチーズと冷燻チーズのWチーズが決め手。とろけるチーズのコクとジューシーなパティの相性は抜群で、チーズ好きにはたまらない一品です。
同店で多く使われる“冷燻”とは、30℃ほどの低温でじっくり燻製する技法で、素材の旨味を壊さず、ほんのり香るスモークが特徴。ベーコンやローストビーフ、さらにはチーズケーキにもこの製法が使われ、ここだけの味わいが楽しめます。
ハンバーガーのほか、牛とろ定食やロコモコ、冷燻チーズケーキなどのデザートも充実。森の中の落ち着いた雰囲気で、ゆったり“十勝の味”を楽しめるカフェです。
【information】
札幌から車約3時間半、十勝・中札内の森に佇む『フェーリエンドルフ』は、ドイツ建築のヴィラ＆グランピングテントに泊まり、モール温泉・フィンランドサウナ・手ぶらBBQで週末を贅沢に過ごせる北海道屈指の森のスパリゾートなんです。それでは、“非日常の過ごし方”をどうぞ！ 北海道旅行でおすすめしたい森のリゾ...
大地の恵みが作る絶品十勝スイーツ
小麦、ミルク、バター、卵、砂糖──。お菓子づくりに欠かせない材料の多くが、十勝ではすべてそろいます。広大な畑と澄んだ空気に育まれた食材は、本来の甘さや香りがしっかり感じられ、スイーツのおいしさを生み出しています。
だからこそ、十勝のスイーツはどれも驚くほどやさしい味わい。まさに“食材の宝庫”ならではの、ごちそうスイーツです。
ここでは、地元の素材をいかした人気スイーツ店・ベーカリーを3つご紹介します。
旅の途中のひと休みにも、テイクアウトにもぴったりのスポットばかりです。
六花亭
北海道を代表する老舗菓子店「六花亭」。1933年の創業以来、帯広の豊かな大地で育まれた素材を使い、毎日食べても飽きない優しい味のお菓子をつくり続けています。
なかでも人気No.1は、全国でも有名な「マルセイバターサンド」。北海道産バターを使った特製クリームとレーズンを、ビスケットにサンドした定番の味。「これを求めて帯広に来る」というファンもいるほどです。
ほかにも、黒いビスケットに白いチョコがのぞく「雪やこんこ」や、栗と白いんげん餡を包んだ大ぶりの「チョコマロン」など、手頃な価格ながら満足感のあるお菓子が揃います。
本店や西三条店など、カフェを併設した店舗ではケーキや軽食も楽しめるため、旅の合間のひと休みにもぴったり。十勝スイーツの原点を味わうなら、ぜひ訪れたい名店です。
【Information】
花柄包装紙でおなじみの山野草が咲き誇り、清流とニレの巨木が迎える「六花の森」。ケーキ片手に1万坪のガーデンを歩けば、十勝の四季が五感をほどきます。 六花の森とは？ 六花亭が「包装紙の花を実際に咲かせたい」と開いた10 haのガーデン。日高山脈を望む敷地に、十勝六花（カタクリ・エゾリンドウ...
柳月
帯広を代表する老舗菓子メーカー「柳月」。十勝管内に多くの店舗を構え、音更町の「スイートピア・ガーデン」では工場見学やスイーツが楽しめるイートインスペースが人気です。帯広市内の「トスカチーナ」はレストランを併設し、デザートのほかパスタやピザも味わえるスポットとして人気です。
看板商品「三方六（さんぽうろく）」は、白樺の薪を模したバウムクーヘンで、半世紀以上愛される十勝スイーツの象徴。さらに、十勝産小豆のクリームを発酵バターのサブレで挟んだ「あんバタサン」、十勝産小麦と北海道産バターに米粉やライスパフを合わせた食感が楽しい「ランバジャ」など、どのお菓子も素材へのこだわりが光ります。
素朴ながら奥深い味わいは旅のおやつにも、お土産にもぴったり。旅の思い出を彩る、十勝の魅力がぎゅっと詰まった一店です。
【information】
北海道・十勝帯広には、旅の思い出を持ち帰ったり、大切な人へ気持ちを添えて渡せるお土産がいっぱい。空港や駅からすぐの便利なお店や、地元で愛されてきた老舗スイーツ店、観光しながらショッピングも楽しめる複合施設まで「あなたの行きたい」に合わせて選べるのも魅力です。 地元の人もおすすめする「十勝・帯広...
Creative French Toast in Tokachi
十勝産の素材だけでつくるフレンチトーストが話題の専門店「Creative French Toast in Tokachi」。2025年に芽室町でオープンし、パン・卵・牛乳など、ほぼすべての材料を十勝産でそろえるこだわりのお店です。
看板メニューのフレンチトーストは、カリッと香ばしいパン耳と、ふわふわの生地のコントラストが魅力。軽いホイップが溶け込み、優しい甘さが広がる一品です。コーヒーとの相性も抜群で、最後まで飽きずに楽しめます。
木の温もりに包まれた店内は、落ち着いた癒しの空間。地元の食材をシンプルに、丁寧に味わえる“十勝らしいスイーツ時間”を楽しみたい人におすすめ。
【information│お問い合わせ】
小麦やミルク、砂糖、卵など、菓子作りに欠かせない食材に恵まれた十勝地方は「スイーツ王国」として知られるエリアです。 帯広市を中心に、個性の光るスイーツ店が点在し、訪れる人を魅了しています。 今回は、十勝・帯広エリアで注目を集める人気スイーツ店をMATOKA編集部がセレクト。 地元食材の魅力を生...
麦音
小麦の生産量日本一を誇る十勝で、必ず訪れたいベーカリーが「麦音」です。敷地面積は11,000㎡、単独のパン屋としては日本一の広さ。季節ごとに表情を変える小麦畑や庭を眺めながら、焼きたてのパンを味わうことができます。
麦音のパンはすべて十勝産小麦100％。十勝産の食材をふんだんに使い、「地元の恵みをそのまま届けたい」という想いで作られています。もちもちと優しい甘みが特徴で、ここでしか感じられない“十勝の小麦の味”に出会えます。
パン作りは自然の力とともに。敷地内の風車が水車を回し、その力で石臼が動き、小麦粉が挽かれます。さらにペレット燃料を使う石窯でふっくらと焼き上げるなど、まさに“自然と一緒に作るパン”が麦音のこだわりです。
店内には広々としたイートインがあり、窓の外の小麦畑や広い庭を眺めながらパンを楽しむことができます。十勝ならではの風景と味を同時に楽しめる、特別なベーカリー。観光途中の朝食やランチにぴったりのスポットです。
【information│お問い合わせ】
旅行の楽しみといえば、なんといっても旅先で味わえるグルメ。そしてここ、北海道は海あり山あり自然豊かな“食の宝庫”です。めったに来れない土地にきたなら、「せっかくなら地元の人が足繁く通う人気のお店に行ってみたい」という気持ちになりますよね。この記事では、そんな方向けに十勝の中心都市・帯広にフォーカスし...
十勝の食が旅をもっと豊かにする
雄大な自然と豊かな食材に恵まれた十勝は、まさに“食の宝箱”のような場所。和牛、チーズ、スイーツ──どれをとっても、素材の力強さとやさしい味わいが感じられ、ここでしか出会えないおいしさが広がっています。
旅の途中で味わう一品は、その土地の記憶をより深く、温かいものにしてくれます。
今回ご紹介したお店は、「十勝らしさ」を感じられるスポットばかり。観光の合間に立ち寄れば、きっと十勝の旅がより充実したものになるでしょう。
大地の恵みをそのまま味わえる十勝グルメ。あなたの旅が、忘れられない美味しい時間になりますように。
