十勝・帯広は“食の宝庫”。せっかく訪れるなら、朝ごはんからこの街ならではの一皿を味わってみませんか?
しかし実際には、「朝早くから開いている店が分からない」「帯広らしい朝食を食べたいけれど、どこへ行けばいいの?」と迷ってしまう人も少なくありません。
そこで今回は、帯広でおすすめの朝ごはんをMATOKA編集部が厳選。市場で味わえる海鮮丼や、地元食材を楽しめる朝食バイキング、思わず写真を撮りたくなるおしゃれなモーニングプレート、しっかり食べたい人にうれしいボリューム定食まで、朝から満足できる6軒を紹介します。
観光の一日のスタートにも、出張中の朝食にもぴったり。帯広で味わえる“朝のごちそう”を、ぜひチェックしてみてください。
※掲載情報は取材時点のものです。
Contents
1.My Favorite Eggs

2025年8月、帯広競馬場に隣接する観光拠点「とかちむら」に誕生したカフェ『My Favorite Eggs』。観光客はもちろん、地元の人にとっても朝の時間を心地よく過ごせる新たな定番スポットになりつつあります。
主役は、帯広市の南に隣接する中札内村の卵。独自の冷燻(れいくん)調味料を掛け合わせ、“進化系の卵料理”として楽しませてくれるのがこの店の魅力です。
冷燻とは約30℃以下の低温で時間をかけて燻す手法で、熱に弱い食材の旨みや風味を壊しにくいのが特徴。醤油やオイル、マヨネーズといった液体調味料まで冷燻できるため、ひと皿の中に香りのレイヤーが生まれます。
冷燻調味料が物語のような楽しさを演出──シン・卵かけご飯

ふわふわの食感が「卵かけご飯」の既成概念を気持ちよく砕いてくれる
看板メニューは「シン・卵かけご飯(800円)」。炊き立てのごはんに濃厚な卵を合わせ、冷燻調味料で味を重ねながら食べ進める一杯です。

【シン・卵かけご飯の食べ方】
- ひと口目は燻り塩で卵の甘みを引き立て
- ふた口目は燻り醤油で香ばしく
- オリーブオイルを垂らせばまろやかなリゾット風に
- ブラックペッパーでキリッと引き締め
- 胡麻でフィニッシュ
食べ進めるごとに味わいの表情が変わる体験は、読み進めるほど先が気になる物語に触れる感覚に似ています。

クラシックパンケーキは、朝の時間を幸せでやさしく満たす一皿
もう一つの人気メニューが「クラシックパンケーキ」。ふんわりと焼き上げた生地に、溶け合うバターとメープルシロップという王道の組み合わせです。卵料理の力強い存在感と、甘い余韻を添えるパンケーキ。そのどちらも、十勝の食材の魅力を口いっぱいに伝えてくれます。

「いい卵で、いい一日を」という想いでメニューを提供する店長の高田さんは帯広出身。東京での飲食経験を経てUターンし、十勝の食材の価値を改めて見つめ直しました。
「子どもたちや観光客に、十勝の食の魅力を伝えたい」。その想いから生まれた『My Favorite Eggs』は、誰もが気軽に立ち寄れ、少しだけ特別な朝を過ごせる場所を目指しています。
【information│お問い合わせ】
住所:北海道帯広市西13条南8丁目1番地(とかちむら内)
営業時間:9:00〜17:00(L.O.16:30)
定休日:水曜
駐車場:あり(とかちむら共用)
My Favorite Eggsで朝ごはんを楽しんだ後は「とかちむら」でショッピングや、おとなり「帯広競馬場」での競馬観戦もおすすめです。
北海道・帯広市でしか見られない「ばんえい競馬」は、“力”と“駆け引き”で勝負が決まる特別なレース。重い鉄ソリを引きながら、直線200mのコースにある2つの坂を越えていく迫力は、普段競馬に馴染みのない人でも思わず息をのむほどです。 ただ、せっかく観戦するなら、ぜひ馬券を買って楽しんでほしい。自分...
とかちむらは、世界で唯一の「ばんえい競馬」を観戦できる「帯広競馬場」に隣接する観光スポット。十勝の魅力を一気に味わえる、観光の入口にぴったりの場所といえます。 産直市場で十勝産の旬の野菜や農産物、お土産を選んだあとは、飲食エリアで十勝グルメを堪能する。あるいは「馬の資料館」で、開拓と馬の歴史に...
2. 天然温泉 ホテル光南

朝風呂のあと、そのまま朝食をいただける
「天然温泉 ホテル光南」は、源泉100%かけ流しのモール温泉を楽しめる、公衆浴場併設のビジネスホテルです。朝風呂を楽しんだあと、そのまま朝食が食べられる気軽さも、この施設ならではの魅力。地元民にも、出張中の宿泊客にも親しまれる存在です。
手作りのおかずが並ぶ、やさしい朝食バイキング
朝食バイキングは7:00〜9:30に提供されます。大人900円という手頃な価格ながら、丁寧に作られた家庭的な料理を心ゆくまで楽しめます。


大皿料理がずらりと並ぶ、朝の食卓。
煮物や和え物、炒め物などの大皿料理が10品以上。納豆や海苔など定番も含めると、20品以上の中から好きなものを選べる充実のバイキング。地元の農家とのつながりが深く、北海道産の野菜を積極的に取り入れている点もこだわりの一つです。


好きな料理を少しずつ。自分だけの朝ごはん。
味の濃さで勝負するのではなく、どの料理も絶妙な加減のやさしい味わい。特にナスの煮浸しや煮物は丁寧な味わいが印象的で、記憶に残るおいしさでした。
家庭的な味でありながら、これだけの品目を一度に味わえる機会はなかなかありません。だからこそ、ここに通う理由があるのだろうと感じました。店内には常連さんと思われる方の姿も見え、従業員の方々と温かな会話を交わす場面も。地元に愛されている場所なのだと伝わってきます。
朝風呂のあとに、栄養バランスの取れたおかずとごはんをしっかり味わう。そんな一日の始まりが、旅先でも日常でも、うれしく感じられそうです。
【information│お問い合わせ】
住所:北海道帯広市東2条南19丁目15
電話:0155-23-7353
朝食時間:7:00〜9:30(最終入場9:00)
朝食料金:大人900円、小学生600円、幼児400円
入浴料金:大人500円、小学生150円、幼児80円
駐車場:あり(50台・無料)
アクセス:帯広駅から徒歩約15分、車で約5分
こちらの記事では光南温泉のお風呂について詳しくまとめています。ぜひ合わせてご覧ください。
帯広・十勝は、世界的にも珍しい「モール温泉」の宝庫。 地元に根付く銭湯感覚の温泉から、自分へのご褒美に訪れたい上質なスパ、旅気分を盛り上げるリゾートまでそろっています。自然を望む露天風呂や個性豊かなサウナも充実しており、観光や休日に立ち寄れば、心も体も癒される特別な時間に。 選りすぐりの...
3. ふじ膳

帯広地方卸売市場の一角、「とかち帯広場外市場 一鱗」の2階に店を構える「市場食堂 ふじ膳」。市場直営ならではの新鮮な食材を生かした料理を、朝早くから味わえる食堂です。市場の活気を感じながら、爽やかな気持ちで食事を楽しめます。

広々とした店内にはテーブル席や小上がり席、窓に面したカウンター席を備える。
開店直後から賑わう、市場の朝ごはん
朝の部は6:30〜9:00。日替わり朝定食や数量限定の刺身定食などがあり、その日の気分や予算に合わせて選べるのも魅力です。入口には券売機が設置されており、セルフオーダー制。近くの店員さんに半券を手渡すと、5分程度で料理が提供されました。市場らしいテンポの良さが心地よく感じられます。
この日選んだのは朝にしか食べられない人気商品「朝の海鮮丼」。マグロやイカ、ハマチなど8種類のネタがきれいに並べられた、目にも楽しい海鮮丼です。

20食限定の朝の海鮮丼(800円)人気商品のため早めの来店がおすすめ。

ネタの種類が多く、「ひと口目どれにする?」の迷いが楽しい。

ぷりっとした歯ざわり。市場の“今”がそのままのる。
合わせる味噌汁のクオリティも抜かりがなく、魚の身やすりみ、ねぎ、きのこなどが入り、海の旨みと山の香りが同居する一杯。丼の鮮度感を邪魔せず、後味を整えてくれます。
食後はそのまま1階の店舗へ。新鮮な海の幸や野菜はもちろん、十勝のメーカーが製造した食品も多く、お土産選びにもぴったりです。市場で働く人、観光を楽しむ人が行き交い、まるで朝の“人間交差点”。食べるだけで終わらず、お土産選びまで楽しめるのも、この場所ならではです。

食後の買い物までが、ふじ膳の朝コース。
【information│お問い合わせ】
住所:北海道帯広市西21条北1丁目5-1 帯広地方卸売市場内(とかち帯広場外市場 一鱗2階)
電話:0155-37-2500
営業時間:6:30〜9:00/10:00〜14:00
定休日:日曜・祝日ほか市場休業日
駐車場:あり(100台以上)
4. 六花亭ガーデン

白樺通り沿いに佇む「六花亭 ガーデン」は、帯広市内で唯一モーニングサービスを実施している六花亭の店舗です。

ガーデンを眺めながら、ゆっくり朝の時間を。
モーニングの提供は9:00〜11:00。ガラス張りの喫茶室からは庭の景色が広がり、焼き立てのパンとともに静かな朝の時間を過ごせます。ひとりでも気兼ねなく入れる雰囲気で、朝の休憩先としても心地よい場所です。
六花亭ガーデンのモーニングは、パンやサラダ、コーヒーなどを組み合わせて楽しめるのが魅力。軽めにも、しっかりにも寄せられる自由さがあります。ホットドッグは人気のためか、この日は10時過ぎには売り切れていました。
絶品「百鬼ドレッシング」で味わうサラダ
私が頼んだのは、クッペと呼ばれる小ぶりのフランスパンに豆のスープ、サラダ、コーヒー。まずはセルフサービスになっているコーヒーを取りに行き、朝のスイッチを入れます。
席に戻ると、最初にテーブルに置かれたのはサラダ。

サラダ(300円)はおかわり自由。セルフサービスではなく店員さんに声をかける必要あり。
レタスや紫キャベツなど彩りも豊かです。ドレッシングは六花亭オリジナルの「百鬼(ひゃっき)ドレッシング」。酸味は控えめで、マスタードや醤油の風味がふわりと立ち、野菜の甘みを引き立ててくれます。
実はこの百鬼ドレッシングの味に魅せられ、我が家の冷蔵庫に常備されている逸品です。かける前によく振るほどおいしくいただけるため、食べる前に20回以上振るのがおすすめ。野菜ぎらいの子どもサラダをおかわりしちゃうほどの「魔法のドレッシング」なんです。
その後、焼きたてのクッペと豆のスープが到着。テーブルの上が一気に「モーニングの完成形」になります。

パン・スープ・サラダ・コーヒー。朝のセットが完成。
パリッ、もちっが魅力。クッペと豆のスープは相性抜群
豆のスープは甘めの濃厚なトマトベースで、数種類の豆と、ほろほろとほどける柔らかな肉が入った具だくさんタイプ。

スープをクッペつきで頼むと620円。単品で頼むよりお得。
豆ごとに食感が違い、ほっこりしたやわらかさと、少し歯応えのある粒感が交互に現れて、ひと口ごとに表情が変わります。合わせるクッペは、表面がパリッと香ばしく、中はもちもちふっくら。

フランス語で「切られた」を意味する、クッペ。「クープ」と呼ばれる切れ込みが入っているのが特徴。
手でちぎると湯気がほわっと立ちのぼり、小麦とバターの香りがやさしく広がります。主張しすぎず、でも確かな存在感があるので、スープと交互に食べるにはぴったりです。
焼き立ての香りと、庭を抜ける光。コーヒーをおかわりしながら、空間ごと楽しむ「急がない朝」がここにはあります。十勝観光のスタートにも、いつもの自分へのご褒美にも。六花亭ガーデンのモーニングは、気持ちまで、前向きに整えてくれる体験でした。
※メニュー構成や価格は時期によって変動する可能性があります。
【information│お問い合わせ】
住所:北海道帯広市西22条南2丁目21-9
電話:0120-12-6666
営業時間:店舗 9:00〜18:00、モーニング 9:00〜11:00、喫茶室 11:00〜16:00(L.O.15:30)
駐車場:あり
5. ひかり

帯広駅から徒歩約5分。ビルの2階に店を構える「定食の店 ひかり」は、チキンカツと焼き魚を二枚看板に掲げる定食屋です。
店に上がる階段は少し急なので、大きな荷物はホテルに置いたまま、身軽な状態でさっと食べに行くのがおすすめ。階段を上った先には、カウンター席やテーブル席、小上がり席を備えた落ち着いた空間が広がります。
わがままに食べたいものを食べる朝、チキンカツという選択
朝だから焼き魚にしようと思っていたのに、メニュー表でひときわ目を引く“推し”の文字。気づけば視線はチキンカツへ。事前の口コミでも評判が高かったことを思い出し、予定変更。朝から揚げ物でお腹を満たすことにします。食べたいものを食べる、そんな朝があってもいいはずです。


迷った末に選んだお店の看板メニュー、チキンカツ定食
運ばれてきたチキンカツは、胡椒がしっかり効いた一品。ソースをかけなくてよいほど下味が決まっていて、ご飯が進みます。
3枚あるので、途中から和がらしを添えたり、ソースをかけたりと、同じ揚げ物でも表情を変えながら楽しめるのがうれしいところです。

衣はサクッと軽く、内側はしっとりやわらか。
付け合わせの小鉢も抜かりはありません。この日は、だしの効いた切り干し大根と、ほうれん草と鶏肉の和え物。どちらも丁寧に作られていて、主役がなくても小鉢とご飯だけで満足できそうなクオリティです。

静かに存在感を放つ、やさしい味の脇役たち。
朝にぴったりの定食もそろう
火曜日から土曜日にかけて朝営業を実施。火曜〜金曜は8:00〜9:00、土曜・祝日は8:30から昼まで営業しており、朝からしっかり定食を味わえます。
火曜〜金曜限定の「朝定食(700円)」は、小鉢2品に山盛りの納豆、ご飯、味噌汁、漬物が付いた充実の内容。素朴ながら体に染み入るような組み合わせで、一日の始まりを整えてくれます。実際に、ひとりで来ていた女性客がこの朝定食を選んでいたのも印象的でした。

チキンカツと並ぶ、もう一つの主役は焼き魚。
もちろん、店名にも掲げられた焼き魚定食も健在。さんま、さば、鮭ハラスなどが用意されており、魚派の人もきっと満足できます。今日はチキンカツに心を奪われたけれど、次は焼き魚で――そんな再訪の理由が自然に生まれる店です。
【information│お問い合わせ】
住所:北海道帯広市西3条南10丁目5(2階)
電話:0155-22-1637
営業時間:火〜金 8:00〜9:00 /11:00〜13:30/17:00〜19:00、 土・祝 8:30〜13:30
定休日:日曜日
駐車場:なし
アクセス:JR帯広駅から徒歩約5分
6. 麦音(むぎおと)

帯広を中心に十勝管内へ店舗を展開する老舗ベーカリー「ますやパン(満寿屋商店)」。1950年創業という長い歴史を持ち、十勝産小麦100%にこだわったパンづくりで地域に親しまれてきました。

その中でも旗艦的存在となるのが、日本一広いパン屋として知られる「麦音」。敷地面積は約11,000平方メートルにおよび、東京ドームのグラウンドにも迫る広さを誇ります。
常時およそ100種類のパンが並ぶ店内の光景はまさに圧巻。焼きたての香りに包まれながら、思い思いの一品を選ぶ時間そのものが楽しみになります。朝~6時55分から開いているので、さっと立ち寄って早朝のドライブのお供を選びに行くのにもぴったりです。
地元民に愛される「白スパサンド」×「ネジリドーナツ」
豊富なラインナップの中で、まず手に取りたいのが、長年愛され続ける看板商品「白スパサンド(245円)」。

迷ったらこれ。からしマヨの余韻がクセになる、一本で満たされるサンド。
スパゲティとミックスベジタブルを、秘伝のからしマヨネーズで和え、熟力食パンで挟んだ一品です。からしマヨの香りがふわっと立ち、野菜の甘みと一緒に口の中でほどけていく。一枚食べ終わる頃には、つい次の一口が欲しくなる味わいです。

朝のおやつにも買って帰りたい定番ドーナツ。
もう一つ外せないのが「ネジリドーナツ・シナモン(120円)」。ねじった生地が生み出すもっちり感に、シナモンの甘い香りが重なり、素朴なのに後を引くおいしさが魅力です。手に持ってかじれば生地のやさしい甘みが広がり、コーヒーにも牛乳にもよく合う。朝のパートナーとして頼りになります。

十勝の景色を望むテラス席
店内外に、イートインスペースが設けられ、購入したパンをすぐに味わえるのも魅力。レジャーシートの貸し出しもあり、晴れた日は手ぶらでピクニック気分を楽しめます。
焼きたての香りを胸いっぱいに吸い込み、十勝の風景を眺めて頬張る朝食タイムを麦音が叶えてくれます。
【information│お問い合わせ】
住所:北海道帯広市稲田町南8線西16-43
電話:0155-67-4659
営業時間:6:55〜18:00
定休日:年末年始
こんにちは、ライターのタカシマです。以前、ご紹介した街のパン屋さん「ますやパン(満寿屋商店)」。十勝管内にある複数店舗の中でも、常時100種類を取り揃える「麦音(むぎおと)」で私的オススメパンを15種類選びました。いっぱい食べてください!
帯広・十勝の朝ごはんは、ただお腹を満たすだけではなく、その土地らしさに出会える時間でもあります。気になる一軒を目がけて少し早起きしてみれば、旅の朝も、いつもの朝も、きっと少し特別になるはずです。
帯広の朝を、もっとおいしく
市場で味わう海鮮丼、温泉帰りに立ち寄りたい朝食バイキング、地元で愛される定食屋の一皿に、景色ごと楽しむモーニング。帯広・十勝の朝ごはんには、その土地の空気や人のあたたかさまで一緒に味わえる魅力があります。
早起きは少しだけ大変ですが、そのぶん出会える景色とおいしさは格別。旅先の朝を特別にしたい人も、いつもの休日を少し豊かにしたい人も、気になる一軒から足を運んでみてはいかがでしょうか。きっと、その一日を気持ちよく始められる「朝のごちそう」に出会えるはずです。











