世界で唯一の競馬“ばんえい十勝”には、レースに好きな名称をつけた『冠レース』を開催できる「協賛レース」制度があります。自分で名付けたレース名が玄関の看板や出走表、馬券など、いたるところに載るから、観戦のテンションが格段に上がること間違いなし!
ばんえいのレースがまさに“自分ごと”になるんです。
もちろん、これを知った十勝・帯広の観光メディア『MATOKA』編集部が黙っているわけもありません。皆さんにどんな制度かをお伝えするためにも、実際に協賛しつつ、レース観戦&馬券も購入。
1月24日に開催された『スマヒロ・マトカ1周年杯』の様子をご覧ください。
重量1トンの鉄ソリを曳く農耕馬が、雪国・十勝で火花を散らす――それが世界で唯一の「ばんえい競馬」です。帯広競馬場を舞台に繰り広げられる200m直線レースは、十勝に根付く馬文化の結晶。本記事では歴史から馬券の買い方、家族での過ごし方、場内グルメ、隣接施設「とかちむら」、引退馬が引く馬車Barまで、初め...
企業PRだけじゃない!
個人も名付けられるばんえい十勝の協賛レース

協賛と聞くと、企業がそれなりの金額を出してPRに使うイメージが強いかもしれません。けれど、ばんえい十勝の協賛レースは個人でも申し込みOK。1口1万円〜で、入籍記念や誕生日など節目のお祝いまで、好きな言葉をレース名にして残せます。これ、思った以上にロマンがあります。

この日は入籍記念や80歳の誕生記念など、プライベートかつメモリアルなレースが目白押し
冠レースになると、出走表や馬券にレース名が載ります。これがテンションを上げてくれます。普通に観戦するだけでも、ばん馬たちの戦いに胸が熱くなる「ばんえい競馬」。それが『ただ見に行く日』じゃなく『自分たちのレースを見届ける日』に変わるからです。
レース当日の臨場感をお届け
レース当日、帯広競馬場に向かいます。帯広市民の私ですが、ここへ来るのは人生で2回目。馬券の買い方すら知らないビギナーですが「いっぱい儲けてやるぞ」と、欲望だけはいっちょまえ。

まずは出走表をチェック!
館内に入ったらまずは出走表を手にします。

出走表は、入り口左手に置いてあります
ここで最初にやることはひとつ。自分たちのレース名が載っているかの確認です。見つけた瞬間、思わず声が出ました。
「……おおお、載ってる!」

ここで一気に、レースに向けてスイッチが入る。走るのは私じゃなく、頑張るのは騎手と馬たちなんですけど、こっちまで身体をウォーミングアップしたくなります。遠い世界の出来事じゃなく、距離感がぐっと近くなる感覚を肌で感じるんですよね。
MATOKA編集部の仲間と合流|馬券購入を予習
場内でMATOKA編集部の仲間と合流します。
メンバーのほとんどが競馬初心者。『スマヒロ・マトカ1周年杯』まで少し時間があったので、馬券購入の予習がてら、別の協賛レースに参加してみました。

券売機の前でワタワタ。お金を入れて→マークカードを入れる手順が、慣れていないと普通に焦る

さあ、レーススタートです!

結果はみんなそろって惨敗。でも、馬券の購入からレースまでの流れはつかめました。馬券は100円から買えるので気軽に楽しめる。……これはハマりそうで怖いです。
馬券の購入は意外と手順が多くて大変
馬券購入は手順が多く、初めてだと戸惑うかもしれません。もし、馬券を買い慣れていない人が多いならば、前のレースの開催に合わせて来場して、手順を予習しておくと安心です。
本番に向け、パドックで出走馬たちの様子を観察

日が落ちてきました。『スマヒロ・マトカ1周年杯』に向けて、出走馬がパドックに現れます。

パドックでは難しいことを考えず、直感で「推しの馬」を見極めるのがビギナーの流儀(笑)
事前情報で「毛ヅヤが大事」と仕入れてはいたものの、正直あまり見分けがつきません。ただ歩き方や表情を見ていると、なんとなく「この馬…よさそう」っていうフィーリングが働くのは確か。いい馬がいたら番号をメモしておきます。
2番『イワキシチフク』の優雅な歩きと、生き生きとした表情に目を奪われます。
「この馬しかいない」
そう心に決めて、パドックを後にしました。
馬券を買いに行く編集部メンバーの背中。まるでアクション映画の決戦前みたいな緊張感が漂います。
レース前に“由来文”が読み上げられる
パドックに入る前、申し込み時点で送っておいたレースの由来文が会場全体に向けて読み上げられます。ついでに「MATOKAのよいところ」も紹介もしてもらえました。冠レースは記念になるだけじゃなく、PRにもつながります。企業協賛の場合なら、これは見逃せません。
みんなで楽しく馬券を購入
館内に戻り、オッズを確認。

推しの『イワキシチフク』は5番人気で、少し気持ちが揺らぎます。……いや、ここは自分の直感を信じましょう。

私は推しの『イワキシチフク』を軸にして馬券を購入

慣れない馬券購入に手間取る編集部メンバー
他のメンバーも思い思いに馬券を選びます。普段、競馬になじみのない人でも「自分たちのレースだから」と馬券を買ってみようと「未知の世界」に飛び込むきっかけをくれる。これも協賛レースの魅力です。
パドックを歩く馬たちの姿を思い浮かべながら、意中の相手にラブレターを書くようなドキドキする時間。これがまた、すごく楽しい。
スマヒロ・マトカ1周年杯|手に汗握るレース
いよいよ『スマヒロ・マトカ1周年杯』の本番レースが近づいてきました。スタンド下のモニター前に集合。自分たちのレース名が表示された画面を前に、メンバー全員が少しそわそわしながら発走を待ちます。

闘いの瞬間を前に、場内は次第に静けさと熱気が入り混じった空気に。レース3分前のアナウンスが流れると、私たちもコース脇へ移動し、胸を高ならせながら柵越しにゲートインを見守ります。

各馬一斉にスタート!場内が歓声に包まれます。白熱のレースを動画でぜひご覧ください。
ばんえい競馬の最大の見どころは、やはりコース中盤にそびえる第2障害です。重いソリを引きながら、一歩一歩力を振り絞って坂を登る姿に、自然と声援が大きくなっていきます。自分たちの言葉がついたレース名で馬が駆け抜ける。
──応援する気持ちも、ぐっと熱を帯びていきました。レースの行方はいかに?
『スマヒロ・マトカ1周年杯』の結果
2着:キタノユウシン
3着:コマサンタカラ
4着:タカラウンカイ
5着:コーワホープ
6着:イナノホマレ
7着:アルジャンノオー
8着:ゴールドクイーン
9着:イワキシチフク
10着:クリスタルホーク
推しの『イワキシチフク』は残念ながら9着。スタートは好調だったのですが、第2障害を登るのに時間がかかってしまい、馬群に沈んでしまいました。
「第2障害には魔物が住んでいる」
そんな言葉を実感するレース展開を、目の当たりにした気がします。

レース後、メンバーが集合して「どうだった?」と勝敗を報告し合うのも楽しい時間。馬券を当てたのは8人中1名。ひとりでも当てられてよかったと、ホッとします。
レース後は記念撮影で締めくくり
レース後は参加者全員で記念撮影へ。優勝馬・勝利騎手との一枚と、表彰台での一枚もしっかり残せます。


自分たちのレース名が場内でアナウンスされ、目の前で特別なレースが白熱する。最後はみんなそろって写真撮影。ほんのひとときの出来事なのに「一年分の記念」になるようです。
馬券は当たっても当たらなくてもいい。『スマヒロ・マトカ1周年杯』、最高の運試しでした。「またやりたいね」と口々に話すメンバー。
「来年は2周年杯ですね?編集長」

北川編集長も「またやりたいね」と、大満足!
ばんえい十勝協賛レース|申し込みの流れを解説

この記事を読んで「よし、申し込んでみるか」と思ったあなたへ。協賛レースは、申し込み→確定→振り込みと、いくつかのステップがあるので順番にまとめます。
STEP1 申し込み(開催10日前まで)
協賛レースは、開催日の10日前までに申し込みが必要です。人気の日は全枠が埋まる場合もあるので、日程が決まったら早めに動くのがおすすめ。申し込み方法は主に次の3つです。
- 公式サイトのフォーム
- 郵送・FAX
- ふるさと納税
今回はいちばん手軽な公式サイトのフォームから申し込むことにしました。申し込み前に、ここだけ決めておくとスムーズです。
希望日:土・日・月曜日のいずれか(開催日程はこちらのページから)
希望レース:レースの番号で指定(メインレースと最終レースは対象外)
レース名(全角13文字以内):公序良俗に反する名称は不可
由来(メッセージ):中継で紹介される場合があるので、レースを開いた理由を短くまとめる
STEP2 決定通知書を確認(協賛日の10日前ごろ)
申し込み後、数日ほどで事務局から受付完了の連絡が届き、希望日程で手続きが進みます。その後、協賛日の10日前ごろにレース内容が確定した「決定通知書」がメールで届きます。
決定通知書でチェックしておきたいのは以下の項目です。
- 実施日
- レース名
- 対象レース(第何レースか)
- 振り込み期限(開催5日前まで)
あわせて注意したいのが、変更・取りやめは開催10日前までという点。ここを過ぎるとキャンセルできないので、通知書が届いたタイミングで一度確認しておくと安心です。
STEP3 協賛金の振り込み(開催5日前まで)
通知書の内容を確認したら、協賛金を振り込みます。振り込み期限は開催日の5日前までです。協賛金の目安は以下のとおり。
個人と企業では協賛金の最低額が異なる
・個人:1口1万円から
・企業:3口3万円から
STEP4 入金確認→当日に向けて準備(あとは当日を待つだけ)
振り込みが完了すると、事務局側で入金確認が取れたタイミングで連絡が入り、これで手続きは完了です。あとは当日を待つだけ。ぜひ来場して観戦してほしいところですが、来場できない場合もスマホで馬券を買ったり、YouTubeでライブ観戦したりできます。
40分前到着が安心
当日は1階奥の事務局で当日の段取り説明(記念撮影など)を受ける必要があります。説明は数分で終了。余裕を持って動きたい場合、40分前の到着がおすすめです。
観戦が“自分ごとの体験”に変わる。
協賛レースの興奮は想像以上

ばんえい十勝の協賛レースは、ただ観戦するだけでは味わえない「自分ごと感」を一気に引き上げてくれる制度でした。玄関の看板や館内モニター、出走表、馬券に自分たちのレース名が載り、場内アナウンスでも呼ばれる。この興奮は想像以上でした。
自社のPRを従業員と一緒に楽しみながら参加するのもよし、大切な人の記念日に合わせて冠レースを開催するのもよし。節目を「形」として残したい人には、間違いのない素敵な体験になるでしょう。















